転職を迷っている人へ|2回の転職で分かった、決め方より大事なこと

仕事がしんどい

転職しようかどうしようか、迷ったまま時間だけが過ぎていませんか。転職サイトを見れば「決め方」のノウハウはたくさん出てきますが、実際に転職した人が、その後どう感じているのかまでは分かりにくいものです。良いことばかりが並ぶ体験談を読んでも、かえって「自分の場合は本当にそうなるのだろうか」と不安になることもあると思います。私はこれまでに2回、転職を経験しました。この記事では、私が何を基準に判断したか、そして選んだ後に何が分かったかについて、得たものと失ったものの両方からお伝えします。

なぜタクシーを選んだのか

判断軸は、給与面を重視すること

前の仕事から転じるときに私が重視したのは、給与面でした。転職エージェントに相談する中で勧められた選択肢の一つが、タクシー運転手という仕事です。実は、もう一つ候補として挙がっていた選択肢がありました。大型トラックによる輸送の仕事です。ですが、こちらは「未経験からいきなり大型車には乗せられない」という理由で断念することになりました。

いきなり大型車に乗せない、という業界の事情

この「いきなり大型には乗れない」という話は、私個人だけの事情ではなく、運送業界に一般的に見られる慣行のようです。未経験者をいきなり大型車の乗務につかせるのではなく、まずは小さめの車両から経験を積ませ、段階的に大きな車両を任せていく、という育成の考え方が背景にあります。事故が起きた場合の保険料への影響も大きく、車両保険は事故の状況によって翌年以降の保険料が上がる仕組みになっているため、経験の浅いドライバーにいきなり大きな車両を任せることは、会社にとってもリスクの大きい判断になるのだと思います。未経験からいきなり大きな車両を任せてもらえないのは、少し残念な気持ちもありましたが、同時に、それだけ責任の重い仕事なのだということを実感する出来事でもありました。結果として、私は大型トラックという選択肢を断念し、給与面を重視したもう一つの選択肢であるタクシー運転手の道を選ぶことになりました。二種免許の取得や具体的な仕事内容については、タクシーの二種免許は難しい?会社負担で取った私の場合タクシー運転手はきつい?現役ドライバーが語る本当の理由と乗り越え方で詳しくお伝えしていますので、あわせてご覧ください。

家族は最初、反対だった

心配の中身は、事故や違反だった

タクシー運転手という選択に対して、家族は当初、反対の立場でした。理由は事故や違反を心配してのことです。頭ごなしに反対されたというよりも、心配の中身が具体的だったのを覚えています。長時間、車を運転する仕事であること、不特定多数のお客様を乗せる仕事であることへの不安は、家族として自然な感情だったのだと思います。漠然とした不安ではなく、「事故を起こしたらどうするのか」「違反を重ねて免許を失ったらどうするのか」という、かなり具体的なところまで話し合った記憶があります。

反対を押し切るのではなく、話し合って理解を得た

最終的には理解してもらえましたが、その過程は一方的に押し切るようなものではありませんでした。心配の中身を一つずつ聞き、自分なりに答えられる部分は答え、不安が残る部分は残ったまま、それでも進んでみようという形で折り合いをつけていったように思います。この反対があったこと自体、転職という決断が自分だけの問題ではなく、周囲を巻き込む決断でもあるのだということを、あらためて考えさせられる出来事でした。転職を考えるとき、自分の希望だけでなく、身近な人がどう感じるかにも目を向けておくことは、後々の納得感にもつながる大切なプロセスなのだと思います。

管理業務から離れて、身軽になった

部下のことを考えなくてよくなった

転職して最も大きく変わったのは、管理業務から一乗務員になったことです。以前の仕事では、部下の状況を常に気にかけながら仕事を進める必要がありましたが、今は自分の管理だけで済むようになりました。これは、率直に言って非常に楽になった部分です。誰かの体調やモチベーション、部下同士のいざこざにまで気を配る必要がなくなり、自分の仕事のペースを自分でコントロールできるようになったことは、想像していた以上に大きな変化でした。

自分の管理だけで済む、という気楽さ

管理職という立場から降りることに、後ろめたさのようなものを感じる方もいるかもしれません。世間的には、管理職から一般職になることを「格下げ」のように捉える見方もあると思います。ですが、私自身は、この身軽さを得られたことを、はっきりと良かったことの一つとして挙げられます。誰かの人生や成果に責任を持つ立場から、自分の仕事の結果にだけ向き合えばよい立場になったことで、仕事に対する向き合い方そのものが、以前よりもずっとシンプルになったと感じています。

同僚との付き合いは、思った以上に変わった

退職後、当時の同僚とはほとんど疎遠に

一方で、失ったものもあります。その一つが、職場の人間関係です。以前の職場を離れてからは、当時の同僚とはほとんど付き合いがなくなりました。今も連絡を取り合っているのは、昔からの同期が一人いるだけです。仕事を通じて築いた関係というのは、同じ職場にいるからこそ自然に続いていくものであり、離れてしまうと驚くほどあっさりと疎遠になっていくのだと、身をもって感じました。在職中は、毎日顔を合わせる相手だからこそ深まっていく関係というものがあったのだと、離れてから初めて気づかされた部分でもあります。

戻りたくはないが、懐かしさはある

前の仕事に戻りたいとは思いませんが、当時の職場の空気や、人との距離の近さについては、懐かしさを感じることがあります。良い環境だったから懐かしいというよりも、そこでしか築けなかった関係性そのものへの懐かしさに近いかもしれません。得たものと引き換えに、確かに何かを手放したのだという実感は、今でも残っています。転職を考えるとき、給与や仕事内容といった条件面ばかりに目が行きがちですが、人間関係という目に見えにくい部分も、後になって振り返ると大きな比重を占めているものなのだと感じています。

形に残る達成感は、もう味わえない

計画通りに完了したときの手応え

もう一つ失ったものとして挙げたいのが、担当したものが形として残るという感覚です。計画していたことが計画通りに完了したときの達成感、後になってその場所を目にするたびに、当時の記憶がよみがえってくるような感覚は、今の仕事では得がたいものになりました。何もなかった場所に、自分が関わったものが確かに形として残っていく過程には、日々の細かな苦労を上回るだけの充実感があったのだと、今になって思います。

目に見える形として残らない仕事の物足りなさ

日々の仕事が積み重なって、目に見える形として残っていく実感は、私にとって思っていた以上に大きなやりがいだったのだと、失ってから気づいた部分です。今の仕事にも、お客様に安全に目的地まで送り届けるという、それ自体の意味はもちろんあります。ですが、数年後にふと通りかかった場所を見て「これは自分が関わったものだ」と感じられるような、形として残る手応えとは、性質が異なるものだと感じています。良いことばかりを並べるのではなく、こうした失ったものについても、正直に伝えておきたいと思います。

転職で人は何を重視するのか

給与・労働条件・周囲との相性が上位に挙がる

私自身は給与面を重視して判断しましたが、これは決して珍しい判断軸ではないようです。公的な調査でも、転職を考えるきっかけとして、給与や労働条件、そして周囲との相性を挙げる人が多いという結果が出ています。何にお金と時間を使いたいか、何を我慢できて何を我慢できないかは人それぞれですが、多くの人が似たような軸で悩んでいるのだと分かると、少し気持ちが楽になる部分もあるのではないかと思います。

自分にとって譲れない条件を整理しておく

大切なのは、他人の判断軸をそのまま真似ることではなく、自分にとって何が譲れない条件なのかを、あらかじめ整理しておくことなのだと思います。私の場合はそれが給与面でしたが、人によっては勤務地であったり、仕事の内容そのものであったり、働く時間帯であったりするはずです。複数の条件をすべて満たす選択肢は、現実にはなかなか見つからないものです。だからこそ、何を優先し、何を諦められるのかを、自分の言葉で説明できるようにしておくことが、判断のぶれを減らすことにつながるのではないかと思います。

転職に後悔はつきものなのか

一定割合が何らかの後悔やギャップを感じている

転職を考えるとき、多くの人が気にするのが「後悔しないだろうか」という不安だと思います。実際、複数の調査によれば、転職した人のうち一定の割合が、何らかの形で後悔やギャップを感じているという結果が出ています。調査によって数字には幅がありますが、決して少なくない人数が、転職後に何らかの後悔を経験しているという傾向は共通しています。理由として多く挙げられるのは、給与が思っていたほどではなかった、といった条件面のミスマッチです。

後悔がゼロを目指すより、納得できるかどうか

この数字を見ると不安になるかもしれませんが、裏を返せば、後悔を感じることそのものは、決して特別なことではないとも言えます。後悔がまったくない転職を目指すというよりも、後悔する部分があっても納得できるかどうか、というくらいの心構えでいるほうが、現実的なのかもしれません。私自身、失ったものとして挙げた以前の職場とのつながりや達成感は、ある意味では後悔に近い感情でもあります。それでも、得たものと引き換えだったのだと納得できているからこそ、今の選択を否定する気持ちにはなっていないのだと思います。

迷うことは、悪いことではない

ここまで、得たものと失ったものの両方をお伝えしてきました。どちらか一方だけを見れば、転職を勧める話にも、思いとどまらせる話にもなり得ると思います。ですが、私が今の時点でたどり着いている考えは、そのどちらでもありません。

どんな職場を選んだとしても、何かは得られるが何かは失うことが多いというのが、2回の転職を経て私がたどり着いた実感です。何を重視するかは本人次第なので、自分の考えをしっかり持つことが重要だと思います。どこに行っても、どんな選択をしても、迷うときは迷うものです。考えて解決しないのであれば、とりあえずやってみたほうがよいというのが、私の考えです。経験することで新たな面が発見できますし、それが自分の成長につながっていくのだと思います。

迷っている自分を責める必要はありません。迷いながらでも、自分なりに考えを整理して、一歩を踏み出してみる。その先で何かを得て、何かを失ったとしても、それもまた一つの経験として、次につながっていくものなのだと思います。2回の転職を経験した今、私が言えるのはこれくらいのことですが、同じように迷っている誰かにとって、少しでも参考になれば幸いです。

まとめ

転職の決め方に、唯一の正解はありません。私自身、給与面を重視してタクシー運転手という道を選び、管理業務からの解放という得たものと、同僚との付き合いや達成感といった失ったものの両方を経験しました。何を重視し、何を手放してもよいと思えるかは、人それぞれです。迷うこと自体を否定せず、自分の考えを整理しながら、必要であれば実際にやってみることも、一つの答えの出し方だと思います。この記事が、今まさに迷っている方にとって、決断そのものを急かすのではなく、自分なりの考えを整理するための一つのきっかけになれば嬉しく思います。現場監督としての経験については現場監督(施工管理)はなぜきつい?仕事内容とリアルな日々を未経験入職の経験から解説を、タクシー運転手としての働き方についてはタクシー隔日勤務の休憩時間、何してる?3時間の過ごし方タクシー運転手の給料の仕組みとは?稼げる人と稼げない人を分ける要因を解説タクシー会社の選び方|入る前に確認しておきたいことで詳しくお伝えしていますので、あわせてご覧ください。

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