現場で実際に使った資格の話|発破技士・玉掛けは何のための資格か

仕事がしんどい

建設現場で働くうえで、資格の話は避けて通れません。私自身、現場で仕事をしていた時期に資格を取得し、実際に役立った経験があります。この記事では、その中でも玉掛けと発破技士という2つの資格について、それぞれ何のための資格で、現場でどう位置づけられているのかをまとめます。なお、発破に関わる具体的な作業手順や火薬の取り扱い方法については、専門的かつ法令で厳格に定められた領域のため、本記事では扱いません。

危険を伴うほど、担える人が絞られる理由

建設現場では、危険を伴う作業ほど、担当できる人が資格によって限定されています。これは、資格を持たない人が危険な作業に関わることで事故が起きるのを防ぐための仕組みです。玉掛けや発破のように、専門の講習や試験を経て初めて従事できる作業は、現場では珍しくありません。今回はその中でも、私自身が取得した経験のある玉掛けと発破技士の2つの資格を取り上げます。資格の中身そのものよりも、「なぜその資格が必要とされているのか」という位置づけを中心に紹介します。資格がないとどんな不便があるのか、逆に資格があると何ができるようになるのかを知っておくと、今後の資格取得の計画も立てやすくなると思います。これから建設業を目指す方にも、参考にしていただければと思います。

玉掛け技能講習とは何か

玉掛けとは、クレーンなどで資材を吊り上げる際に、ワイヤーロープなどを資材とフックに掛けたり外したりする作業のことです。建設現場では資材の積み下ろしなどで日常的に発生する作業であり、多くの現場で必要とされる資格のひとつです。

どんな作業に必要になるのか

クレーンで吊り上げる荷物が1トン以上の場合は「玉掛け技能講習」の修了が必要になり、1トン未満の場合は「玉掛けの業務に係る特別教育」の修了で対応できるとされています。現場によって扱う資材の重さはさまざまなので、自分が関わる作業がどちらに該当するかを確認しておくとよいでしょう。資材の積み下ろしが日常的にある現場では、この資格の有無で任される作業の範囲が変わってきます。

講習の内容と取得の流れ

玉掛け技能講習は、労働安全衛生規則および関連告示に基づいて実施される講習で、学科講習(クレーンに関する知識・玉掛けに必要な力学の知識・玉掛けの方法・関係法令など)と実技講習の両方を受講し、それぞれの修了試験に合格することで修了となります。数日間にわたるまとまった講習になるため、仕事のスケジュールと調整しながら受講する形になります。実施期間や具体的な費用は登録教習機関によって異なるため、受講を検討する際は最寄りの機関に直接確認することをおすすめします。

発破技士とは何か

発破技士は、労働安全衛生法に基づく国家資格で、採石現場や建設現場などで火薬類を使用する発破作業に関わる業務を担当するために必要とされています。この記事では、資格の位置づけと取得の流れを紹介するにとどめ、火薬の取り扱いに関する具体的な内容には触れません。

どんな現場で必要とされる資格か

トンネル工事や岩盤の掘削など、火薬類を使った発破作業が発生する現場で必要とされる資格です。すべての建設現場で必要になるわけではなく、こうした発破作業が発生する特定の現場に限られます。現場の規模や工事の内容によって、必要とされる頻度は大きく変わる資格だと感じています。

資格が対象とする業務の範囲

発破技士の資格があることで、発破作業に関連する一連の業務(穴をあける穿孔、火薬類を装填する作業、結線、点火の各工程)に従事することが法令上認められます。裏を返せば、この資格がなければこれらの業務には従事できないということでもあり、それだけ専門性と責任が求められる資格だといえます。資格取得後も、経験を積みながら任される範囲が広がっていくのが一般的です。

玉掛け技能講習・発破技士の受験要件

玉掛けと発破技士では、資格取得までの流れが異なります。それぞれ公的な情報をもとに、大まかな流れを紹介します。受験・受講を検討する際は、最新の公式情報を確認することをおすすめします。

玉掛け技能講習の受講対象

玉掛け技能講習は、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関で実施されており、年齢などの基本的な条件を満たせば受講可能です。詳細な受講条件は各教習機関によって案内されているため、受講を検討する際は事前に確認してください。会社によっては、業務の一環として受講費用や日程を調整してくれるところもあるので、まずは所属先に相談してみるのもよい方法です。

発破技士試験の受験資格と免許申請要件

発破技士の試験自体は、公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施しており、受験するだけであれば年齢や学歴による制限は特にありません。ただし、試験に合格した後に免許を申請する段階では、応用化学・採鉱学・土木工学などに関する学科を卒業したうえで一定期間の発破業務経験があること、または一定期間の発破業務の補助経験があることなど、一定の条件を満たす必要があります。実技講習は関連団体が主催しており、条件の詳細は年度によって変わる可能性があるため、受験を検討する際は試験実施機関の最新の公表情報を確認することをおすすめします。

資格があると現場でどう見られるか

資格を持っていることは、単に「その作業ができる」というだけでなく、現場での役割や信頼にもつながる部分があります。持っているだけで終わらせず、実際にどう活かせるかも考えてみたいところです。

任される作業の幅が広がる

資格を持っていることで、資格がなければ関われない作業にも関わることができるようになります。結果として、現場で任される作業の幅が広がり、チームの中での立ち位置も変わってくることが多いです。人手が限られる現場ほど、複数の資格を持つ人は重宝される傾向があると感じています。周囲からの信頼という面でも、資格はひとつの目安になっていたように思います。

玉掛けで身についた「重心を見る目」

玉掛けの資格を取って、いちばん長く残っているのは物の重心を見る目でした。荷の形と重さの偏りを見て、どこにワイヤーを掛ければ水平に上がるかを考える。これを毎日繰り返していると、現場を離れたあとも、物を持ち上げるときにまず重心を探すようになります。家具を動かすときも、荷物を積むときも同じです。資格そのものより、資格を取る過程で身についた見方のほうが、後々まで幅広い場面で使えるということがあるのだと思います。

資格取得を考えている人へ

これから建設業で資格取得を考えている方に向けて、参考になりそうな視点をまとめます。どちらの資格も、取ってすぐに使いこなせるものではなく、経験を積みながら身についていくものだと感じています。

どちらから取得すればよいか

玉掛けは比較的多くの現場で必要とされる汎用性の高い資格である一方、発破技士は発破作業が発生する現場に限られる専門性の高い資格です。まずは自分が関わる現場でどちらが必要とされているかを確認し、必要性の高い方から取得を検討するとよいと思います。両方を段階的に取得していくという考え方もあると思います。上司や先輩に、これまでの現場でどちらの資格がよく求められたかを聞いてみるのも参考になります。

資格は目的ではなく手段

資格を取ること自体が目的になってしまうと、なぜその資格が必要なのかを見失いがちです。自分がどんな作業に関わりたいのか、現場でどんな役割を担いたいのかを考えたうえで、必要な資格を見極めていくことをおすすめします。焦って多くの資格を集めるより、必要な資格を確実に身につけていく方が結果的に役立つと感じています。

まとめ

玉掛けと発破技士は、どちらも建設現場で危険を伴う作業を安全に進めるための資格です。玉掛けは比較的多くの現場で必要とされる資格、発破技士は発破作業が発生する現場に限られる専門性の高い資格という違いがあります。取得を検討する際は、公的機関が公表している最新の情報を確認しながら進めてください。

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