失業保険(基本手当)の受給までの流れ|自己都合と会社都合で何が変わるか

仕事がしんどい

「仕事を辞めたいのに辞められない」「退職代行を使うかどうか」を考えている段階では、辞めたあとの生活資金まで考えが及ばないことも多いと思います。実際に会社を辞めると決めたあと、多くの人が次に気になるのが失業保険の手続きです。この記事では、失業保険(基本手当)を受け取るまでにどんな流れをたどるのか、そして自己都合退職と会社都合退職で何が変わるのかを、公的な情報をもとに整理します。

そもそも、どんな制度なのか

失業保険という呼び方が一般的ですが、正式には雇用保険の「基本手当」といいます。働く意思と能力があり、実際に求職活動をしているにもかかわらず職に就けない状態にある人を対象に支給される給付です。退職すれば自動的に振り込まれるものではなく、ハローワークで手続きを行い、求職活動をしていることが前提になります。まずは「退職=即支給」ではないという点を押さえておくことが、その後の資金計画を考えるうえで重要です。支給される金額や日数は、退職前の賃金や雇用保険に加入していた期間、年齢によって変わる仕組みになっており、一律の金額が決まっているわけではありません。制度の対象になるかどうかも、雇用保険への加入期間などの条件を満たしているかによって変わるため、在職中に自分が雇用保険の被保険者であったかを確認しておくことも大切です。

退職後、まず何をすればいいか

退職してからすぐにハローワークへ行っても、手続きに必要な書類が揃っていなければ受け付けてもらえません。順序としては、まず勤務先から必要な書類を受け取り、それを持ってハローワークへ向かう、という流れになります。退職代行を利用して会社を辞めた場合でも、離職票の発行自体は勤務先が行う手続きのため、この流れ自体は変わりません。

離職票を受け取る

離職票は退職した会社が発行する書類で、失業保険の手続きに必須です。退職後10日〜2週間程度で自宅に郵送されるのが一般的ですが、会社によって前後することがあります。届く時期の目安を知らずに待っていると不安になりやすいので、退職時に「いつ頃届くか」を確認しておくと安心です。届かない場合は、勤務先またはハローワークに相談することで対応してもらえます。

ハローワークで求職の申し込みをする

離職票が届いたら、住所地を管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。このとき離職票のほか、マイナンバーを確認できる書類、本人確認書類、証明写真2枚、本人名義の預金通帳やキャッシュカードなどが必要です。窓口によって細かい案内が異なることがあるため、事前に管轄のハローワークへ問い合わせておくと二度手間になりません。この申し込みをもって、正式に失業保険の手続きが始まります。

辞め方によって、何が変わるのか

失業保険の手続きで特に気になるのが、自己都合退職と会社都合退職の違いだと思います。両者で大きく異なるのは「給付制限期間」の有無で、これが実際に手当を受け取れるまでの期間に直結します。離職票に記載される離職理由の区分が、この判定の基準になります。

待期期間はどちらも7日間

自己都合・会社都合を問わず、求職の申し込みをしてから7日間は「待期期間」として、失業状態であることを確認する期間にあてられます。この7日間はどちらの退職理由でも共通で、この期間中はどちらの場合も手当は支給されません。待期期間中にアルバイトなどで収入を得ると、その分の期間が待期期間としてカウントされない場合があるため、この間の働き方には注意が必要です。

自己都合には給付制限期間がある

自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて給付制限期間が設けられます。2025年4月の制度改正により、給付制限期間は原則1か月に短縮されました。ただし、直近5年以内に自己都合退職を3回以上している場合は3か月の制限が適用されます。また、厚生労働大臣が指定する教育訓練などを受講した場合は、給付制限が解除される仕組みも設けられています。この特例は、退職後にスキルアップを検討している人にとっては選択肢の一つになり得ます。

会社都合には給付制限がない

会社都合退職(倒産・解雇など、やむを得ない事情による離職)の場合は、給付制限期間が適用されません。待期期間の7日間が終われば、比較的早い段階で基本手当の支給対象になります。さらに、会社都合退職は「特定受給資格者」として扱われ、所定給付日数が自己都合退職より手厚く設定される場合があります。離職票に記載される離職理由がどちらに該当するかによって、その後の生活資金の見通しが大きく変わるため、離職理由の記載内容は退職時によく確認しておく価値があります。

受給までの具体的な流れ

求職の申し込みをしたあとは、いくつかの手続きを経て実際の支給に至ります。手続きの各段階で必要なことを事前に把握しておくと、当日になって慌てずに済みます。手続きの流れ自体は自己都合・会社都合のどちらでも共通しており、違いはあくまで給付制限期間の有無に限られます。

雇用保険受給者初回説明会

求職の申し込み後、指定された日時に「雇用保険受給者初回説明会」に出席します。ここで雇用保険の制度についての説明を受け、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります。この説明会は原則として出席が必要とされており、当日の持ち物や服装についても案内があるため、案内状の内容をよく確認しておきましょう。

失業の認定日

その後は、原則4週間に1回のペースで指定される「失業認定日」にハローワークへ行き、その期間の求職活動の状況を申告します。この失業認定を経て、基本手当が指定した口座に振り込まれる流れになります。求職活動の実績が求められる点は、退職前にはあまり知られていない部分かもしれません。実績として認められる活動の範囲は窓口で案内されるため、疑問があれば早めに確認しておくとよいでしょう。求職活動の実績が足りないまま認定日を迎えると、その回の認定が保留になることもあるため、認定日までの活動状況はこまめに記録しておくと安心です。

窓口に行く前にそろえておきたいもの

手続きをスムーズに進めるために、事前に準備しておきたい主な書類をまとめます。離職票(離職票-1・離職票-2)、マイナンバーを確認できる書類、運転免許証などの本人確認書類、証明写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm程度)、本人名義の預金通帳またはキャッシュカード、印鑑が一般的に必要とされています。自治体やハローワークによって案内が異なる場合があるため、訪問前に管轄のハローワークの案内を確認しておくと安心です。書類に不備があると手続きがやり直しになることもあるため、余裕を持って準備しておくことをおすすめします。マイナンバーカードを持っていない場合は、通知カードと本人確認書類の組み合わせで対応できることもあるため、手元の書類を早めに確認しておくとよいでしょう。

まとめ

失業保険(基本手当)は、退職すればすぐに受け取れるものではなく、離職票の受け取りからハローワークでの手続き、待期期間、そして自己都合か会社都合かによる給付制限の有無を経て支給される仕組みです。特に自己都合退職の場合は給付制限期間がある分、退職後しばらくの生活資金を見込んでおく必要があります。手続きの流れを事前に知っておくことで、退職後の資金計画を立てやすくなると思います。

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